自衛隊最前線部隊の日報文言と安保法制上の文言を同一に論じて、誰も糺さない愚

稲田防衛大臣と防衛事務次官そして陸上自衛隊トップの幕僚長の辞任に発展した「自衛隊南スーダンPKO活動」の日報問題。

結局のところ、自衛隊の最前線部隊で記録されている「日報」などの中で使われている文言を取り上げて、安保法制が定めている文言と同一に論じたまま、誰もその誤りを糺さなかったことに根本的な原因がある。

これでは最前線自衛官は、ろくに、まともな記録さえとれない。その重大な危機に対する認識が甘いと、日本は致命的な過ちを犯しかねない。

もう一つは、そういった防衛作戦上の報告書が、一般行政情報と同じ扱いで「情報公開請求」によって何から何まで白日のもとに晒す愚も糺さなければならない。

とにかく日本は、やたら安全保障問題に関して後進国だ。片や国家ぐるみで情報管理どころか情報統制している国が近隣にあるというのに、ノー天気なことだが、それでは済まされない。

今回の問題も、政府与党がもっとハンドリングして自衛隊最前線の文言と安保法制の文言を一緒くたに扱うなというブレーキを早めにかけていれば、こんなことにはならなかった。

まさに絶対多数の政府与党の気の緩みとしか言いようがない。
野党も野党だ。何でもかんでも取り上げて、政府の揚げ足をとることばかりに腐心している。国を危うくする元凶だ。

安倍さんの「地球を俯瞰する外交」で、せっかく、この5年間のあいだに世界から一目置かれるところまで地位を押し上げてきたのに、諸外国から「やっぱり日本はまだ未成熟だ」と蔑まれる口実を作ってしまった。

断言しておきたい。総理交代などでは決して修復できない。それをできる誰がいるものか。岸田さん?、石破さん?、冗談じゃない。それじゃ民主党政権を含めた、それ以前の時代、すなわち政治の不安定が招いた「失われた30年」の時代に逆戻りだ。

ポスト安倍は見つかっていない。いつ見つかるとも知れない。それほどの人材払底なのだ。だからと言って小池百合子さんなどと間違っても言っちゃぁいけない。彼女も菅直人氏と同じ「できれば私もなりたい」と思っているだけの人で、なっちゃいけない人です。

一人可能性がある人をあげるとすれば橋下さん(元大阪市長)でしょう。かれが自民党に入り(つまり日本維新の会自民党に入らなけばならないので、可能性はあまり高くありませんが)

それにしても、今回の日報問題が突き付けた課題は大きいです。
やっと「森友・加計問題」というゴシップ記事追跡の国会論戦が終わりそうですので、少しはマシですが・・・。