国内の重要課題を克服し、国家安全保障を強く固めて世界で確固たる地位を占めるために

いま、日本という国は、国内的にも国際社会の中でも、実に多くの難題に直面しています。

まず国内には、少子高齢化の進行による国力の衰退を食い止め、1億2000万人の国民が、未来に希望を持ちながら一人ひとり、そして家族家族が活力ある生活を営む社会を取り戻すという、難しい多元連立方程式を解くような課題があります。

 

私もそうですが高齢者は団塊の世代というピークが徐々に70歳台後半、80歳台と移っていきます。以前の常識であれば徐々に命が尽きて、その世代の人数は減少しますが、これから先は健康長寿により、そう簡単には減っていきません。

 

にもかかわらず「生産年齢人口」になるはずもなく、現役世代が稼いだ資金をもらい続ける年金世代です。したがって健康長寿という「寿」と引き換えに現役世代の負担を軽減するという「生産的行為」が不可決ですから、この世代の国民は、いたずらに「なんでも反対」「政権政党には必ず批判」といった盲目的な姿勢は許されないと考えなければなりません。

 

一方、少子化、つまり生まれる子供の数が少ない問題、よく言われる要因として「いまの日本は将来に希望が持てない社会になっている。だから結婚にも消極的だし、結婚しても子供を持つという選択をしたがらない」

 

ここには、非常に長期的な視点で手を打たないと解決できない問題が潜んでいます。将来に希望が持てる社会だと実感できる日本を取り戻すために何年必要だと思いますか?

 

適切な対策をつぎから次と、まさに矢継ぎ早やに打ち出すことが仮にできたとしても10年の歳月が必要でしょう。その間、少子高齢化のグラフは決して反転しません。右肩下がりの角度が少し緩くなる程度です。

 

安倍元総理が「デフレからの脱却、失われた20年から日本を取り戻す」と目標を掲げて「アベノミクス」を提唱してから今年で12年、やっと誰もデフレだとは思わなくなりました。それぐらい時間がかかるものなのです。

 

適切な対策の投入具合が弱ければ、角度は緩くすらならないでしょう。仮に適切な対策の投入が10年続いたとして、初めて少子高齢化の進行が底を打つかもしれません。それから、さらに日本が対策の手を緩めずに続ければ、徐々に国民の間に将来に対する希望という意識が生まれ始め、そこから、5~10年、少子高齢化の進行がとまり、さらにその後に徐々に反転を始める年が来るかも知れません。

 

繰り返しますが、適切な対策をつぎから次と、まさに矢継ぎ早やに10年以上20年ぐらいのスパンで打ち続けられれば、初めて効果が現れるでしょうという世界であり、途中、息切れしたり、これまでのように政争などにムダな時間を費やしていれば、それ時期はただただ遠のくばかりです。

 

けれども、そこであきらめては元も子もありませんし、国は国民に対して飽くことなく「少子高齢化による日本の衰退から脱出できるまで気持ちを一つにして頑張りましょう」と訴え続けることが大事です。

 

国内問題は少子高齢化問題だけではありません。日々進化する技術革新、国際社会の中で後れをとることなくイノベーションを図ることの重要性が、わが国の経済安全保障のためにも、防衛・安全保障のためでもゆるがせにできません。

 

また、技術革新・イノベーションの推進は、少子高齢化に起因する生産労働人口の大幅な不足に対応するためにも不可欠です。

 

さらに国内には、国家の基本理念であるべき憲法の不備という基本問題もあり改正は喫緊の課題です。憲法改正という広範な国民の合意を必要とする課題解決が、無責任野党のサボタージュによって妨げられている状況を多くの国民が看過しているのは、わが国をじわじわと、背骨のない軟体動物のような、およそ国際社会からの敬意を得られない国にしていることです。

 

安倍元総理時代に可能だった、何らかの部分の憲法改正を見送ったことにより、また野党のサボタージュが表面化してきました。もはや、何らかの手を打たないと有事待ちのようになってしまうでしょう。

 

皇統の安定的な継承問題もしかりです。

 

日本の国内問題としては、教育の問題(教科書検定問題や、教員の質とライフワークバランスの問題など)、男女の問題(LGBT問題、親権問題など)、社会保障と財源の問題、国会議員の世襲・家業化の問題、財務省や外務省に見られる国益無視、省益優先の問題、中国などの外国勢力による日本国内の土地等の買い占め問題への対応など、いくつも重要な課題が山積しています。

 

外交・防衛・安全保障といった国際関係の問題も複雑多岐にわたります。

中国・北朝鮮、ロシアといった強権国家と地政学的なリスクの大きい位置づけにある日本は、外交・防衛・安全保障上の対応強化が喫緊の課題ですし、それに必要な防衛力・海上警察力の強化も同じです。

 

安倍元総理が提唱した「自由で開かれたインド太平洋構想」を国家間の強固なつながりまで高める外交の深化も不可欠ですし、台湾を守る立場でアメリカとの同盟関係を細部にわたり構築するとともに、他の同志国との外交関係を強化する必要があります。また、それに必要な国内法の整備も急がなければなりません。

拉致被害者の全員帰国を勝ち取る外交、韓国・中国の歴史の歪曲により惹起している新たな懸案の処理など、どれも先延ばしにできる課題は一つもありません。

またエネルギー安全保障の問題は、特にエネルギー源の選定において中国の野望に利する懸念が浮上している問題など、日本の死活的課題として早急な対応が必要です。

 

さらに経済安全保障の面でも、日本企業が持つ競争力の高い技術の流出防止やサプライチェーンの重層化、安定化など重要な課題が目白押しになっています。

 

これほど多種多様な国内外の課題に責任をもって対応できる政治勢力は、いまのところ、豊富な人材と長年構築してきた課題解決のノウハウを有する自民党をおいて他にはありません。

 

公明党も長い連立内閣の経験で、重要課題に対する理解はかなり進んでいますが、宗教団体支持者という背景から来る「どうでもいいから平和的な内容に仕上げて支持者の評価を得たい」という態度をとってしまう致命的な体質を抱えています。そのために防衛・安全保障、憲法などの問題が、かなり歪められたり、解決が先延ばしになってしまいました。

 

それより何より、頼みの自民党が、いまや国民からの支持をまったく失っているという根本的な状況を迎えています。

 

さりとて、立憲民主党が上記に列挙した山積する国内外の重要課題解決を担う力量があるかと言えば、あの15年前に出現した「悪夢の3年半」から何も変化はありませんし、それどころか基本スタンスは現実を見据えた対応をとる姿勢はなくなってしまい、観念的な空論ばかりを振りかざす15年前の民主党より大きく後退しているのが実情です。

 

他の政党は、これまで国内問題だけしか扱った経験がありませんので、とても防衛、外交・安全保障を任せられる政党ではありません。

 

そうなると、どうすればいいのか、自民党から100人規模の保守勢力の議員が抜けて、維新の会と新たに立ち上げられた保守党の3グループとの合流による「新しい保守勢力」を形成する必要があると思います。河野太郎氏やかつての小泉純一郎氏、福田康夫氏のような自民党の仲間でありながら公然と国益に反する言動を繰り返す人たちと袂を分かつ決断が必要です。

さりとて、かつての小池百合子氏のように「排除」の姿勢を前面に押し出しては必ず失敗します。小池氏にしても、もし新しい政党が定めた綱領のもとに結集したいのであればウェルカムです。それは現在の自民党の仲間であっても同じです。

 

そして、その新しい政党が絶対内輪もめを起こさず、まずは清新な総理候補を出せれば、世論は雪崩を打って、新たな保守勢力政党支持に回ります。

 

ただ、その途中に問題が一つあります。「新しい保守勢力」の結集を立憲、共産などの左翼野党もそうですが、何よりマスコミの中で、堂々と「安倍晋三の葬儀はウチで出す」と広言した朝日や東京新聞、TBS、共同通信などの左派マスコミが、必ずレッテル貼りに走ります。やれ「右翼勢力だ」やれ「極右だ」と。

 

それに、どう対応するかです。ここを乗り越えない限り政権奪取は望めません。安倍元総理は「アベノミクス」を前面に押し出し、憲法や防衛・安全保障の問題はしばらく封印しました。

 

今度の政党も「選挙公約」の第一順位は「暮らしと経済」であり「20年後に希望が持てる社会を今年から1年1年積み重ねよう」と呼びかけましょう。

 

そして返す刀で「我々を極右呼ばわりするマスコミこそ、自らが極左勢力ないしは中国を利する勢力に毒されている。マスコミが安倍政権時代にさんざん批判した政策を、さらに輪をかけたように極端に批判する政治団体が、衆議院補選東京15区での選挙戦で、目に余る選挙妨害を繰り広げており、これら自分たちの代弁者に近いまさに極左勢力に対しては口をつぐんでいる。」と強く反論すべきです。

 

もちろん「社会保障と負担の問題」「教育と家族、男女の問題」「皇統の安定継承や日本の伝統を大切にすること」などについても、もう足を引っ張りそうな身内に遠慮するみとなく、堂々と主張しましょう。

もちろん、憲法改正、防衛・外交・安全保障の問題もです。選挙の票に結びつかないからといって話題から遠ざけるのではなく、日本にとって、国民にとって、いかに重要な基本的な問題かということを、粘り強く訴えないと真の理解は得られません。

 

自民党から袂を分かつ100人規模のグループと日本維新の会は、これまで国政で国民から一定の支持を得ていますが、出来たばかりの政党「保守党」は、まだ国民からの審判を受けていません。そのせいか、党の「重要政策項目」にも「名古屋城天守閣の木造復元完遂」といったローカルな項目があったり、私党的な臭いが残っています。わかっているとは思いますが、あらたに結集する政党には、そうしたものを持ち込まず、国民共通の課題だけに絞っていただきたいと思います。

 

「保守党」は、現在は結党まもない時期ですから、理念先行の同志の集まりという体裁ですが、日本中の有権者からの広範な分厚い支持を得るには、大きな政党を束ね組織として動かしていく「党の顔になるグループ」と「常に理念を大切にする理論的支柱、精神的支柱の役割を果たすグループ」そして「選挙活動や組織作り、広報、IT活用などの組織基盤強化の上で欠かせないテクノクラートのグループ」を早く整備していかないと、かつて細川護熙氏のもとに、あっという間に政権の中核を担う勢力となった「日本新党」の二の舞になってしまいます。

 

その意味で、自民党出身者、日本維新の会出身者という、組織づくりに長けた人材に智恵とエネルギーを発揮してもらい、国民から大きな支持を得られるようにして欲しいものです。

 

新しい政党の顔を誰にするかという問題と同じぐらい重要なのが政党名です。まずは公募して、令和という元号を決めた時のように「しっくり」くる党名を選んで欲しいものです。おそらく相当の応募があると思います。

 

4500文字以上を一気に書きましたので、一旦ここで筆をおかせていただきます。