昨夜2026年1月21日放送のNHK-BS「アナザーストーリー」を観ました。ABBA好きにはたまらない番組でした。4年ぐらい前に放送された番組の再放送のようでしたが、前は見ていなかった番組でした。
スウェーデンが生んだ世界的グループ・ABBA、彼らの曲「ダンシング・クイーン」が1976年6月に行われたスウェーデン国王グスタフ16世とシルビア王妃の結婚披露式典で披露されたエピソードを中心とした番組でした。
シルビア王妃は当時の西ドイツ生まれ、一般家庭で育った女性が、1972年のミュンヘン五輪を観戦に来たグスタフ皇太孫(父が死去したため祖父に次ぐ皇位継承者だったため皇太孫の尊称)のエスコートについたところから、二人のロマンスが始まったそうです。
当時、プレイボーイの名を欲しいままにしていたグスタフ皇太孫に対して、媚びることもおもねることもせずに自然体でふるまったシルビアに、グスタフが驚きそこから交際が始まったそうです。
グスタフはシルビアとの結婚を決めますが、スウェーデン王室の慣例では王位継承者の妃は貴族出身者ということだったため、猛烈な反対に遭いシルビアは辛い思いをします。
それでも1973年に国王に即位したグスタフは1976年3月、シルビアとの婚約を発表、同年6月19日結婚式をあげ、同日、披露式典が行われたということです。
元来、国王の結婚披露式典ですから厳粛な中で行われるものですが、式典の演出を任されたアン・マルグレート女史が、型破りなプランを立てます。
当時、すでにスウェーデンで最高の人気を博していたABBAに出演を依頼したのです。
打診を受けたABBAは快諾するとともに演目を「ダンシング・クイーン」にしようと提案します。この時まだ「ダンシング・クイーン」はヒットしていたものではなく17歳の少女をモデルにした曲で、歌詞は、その子に勇気を出して踊りなさい、そしてフロアのクイーンになりなさいと励ましている曲でしたが、国民に受け入れられていない王妃なのではないかと不安と緊張に固まっているであろうシルビアの心をほぐすのに、これほどふさわしい曲はないとアン・マルグレートも確信します。
そして、いよいよ当日、貴族のコスチュームをまとった4人が、心地よいイントロサウンドとともに登場、You can dance, you can jive、Having the time of your lifeと謳い上げます。
すると、それまで片時も表情を崩すことのなかったシルビア王妃の顔がみるみるほころんで、隣のグスタフ国王のほうを見やります。グスタフ国王も微笑み返しです。
観ている私はというと、みるみる涙が溢れてきて、うれし泣きです。いつもの快活なシルビアの表情が戻ってきて、よかった。「ダンシング・クイーン」の心地よい歌声は会場全体を包み、参列者もシルビア王妃の嬉しそうな表情に拍手を送ります。
演出のアン・マルグレートが当時を振り返ります。「本当に素晴らしいひとときでした。」
物語は、この曲の制作の場面を振り返ります。ABBAは、もともと派手なコスチュームとポップなサウンドを売りにしていただけに、当時、音楽界の主流であった「メッセージソング」の連中からは「何のメッセージ性ない軽薄なグループ」とバカにされていたそうです。
そんな中、1976年1月に制作された「ダンシング・クイーン」は、特に歌詞の部分を何度も手直しした記録が残っているというのです。彼らは、この曲を誰にも通じる曲にしたい、「さぁ、勇気を出して踊りましょう」と謳いかけて「誰もが勇気を持って素敵な存在になれるのよ」と伝えたいと考えたといいます。
1月に完成したその曲は、まだ公開されたばかりでしたが、そのとおり、シルビア王妃に、そのメッセージを届ける、そういう歌になったのです。そして翌年には全世界のヒットチャートで1位を獲得するABBA不朽の名曲となったのです。
ABBAそして「ダンシング・クイーン」そしてシルビア王妃をつなぐ物語を「うれし涙」で頬を濡らしながら観ました。幸せな宵でした。
寝床に入る時にABBAの21曲が収まったアルバムを再生しながら休みました。またABBAの17曲を散りばめたミュージカル「マンマ・ミーア」が観たくなりました。劇場ではもう何年もご無沙汰です。メリル・ストリープ主演の映画もいいです。もちろんDVDを持っていますから観ればいいことですが・・・。