米中対立激化の中で、日本は、自由主義世界共通の価値観をどうリードしていくのか。

前回の書き込みで「安倍総理の心が折れてしまったように見えます」と書き込みました。 

日本の政局が動きだしそうな気配です。けれども、そんなことを始めて、本当にいいのでしょうか?

 

過去に日本は、1989年から2012年、まさに平成の始まりとともに四半世紀近く、不毛の政治を繰り返し、自由主義世界のリーダー国とは無縁の存在になり下がっていました。

 

それを安倍総理が、わずか7年の間にリーダー国としての立場を取り戻してくれました。

 

そこに「チャイナウィルス」が降って湧いたように世界に蔓延して、これまでの世界秩序をひっくり返しかねない状況が生まれました。

 

そんな中で安倍総理はウィルス対策でつまづき、加えて河井元法務大臣夫妻の選挙違反問題や検察官定年延長問題なども足手まといになって「安倍一強」と言われた政権基盤が徐々に揺らぎ始めてきました。

 

そして、追い打ちをかけるように「検察官定年延長法案」反対の大合唱です。

私は、いまここで、この法案を引っ込めなければ、倒閣運動に直結すると直感して「誰かが止めなければ・・。稲田朋美さん、あなたです。それをやるべき人はあなたです」と前回の書き込みで訴えました。

 

すると、1週間後の5月18日、今国会での成立断念のニュースが流れました。それに至る舞台裏の動きは、いずれ明らかになるでしょうが、稲田朋美さんが、どのような立場で行動したのかについても、ご本人の口から、いずれ聞く機会があると思います。

 

さて、このあとの政局です。私の関心はただ1点、安倍総理が求心力を回復できる芽があるのかどうか。

 

結局、ここしばらくは、最大の課題はウィルスの感染拡大阻止と、底なし沼に落ち込むような経済悪化を、どの程度食い止められるかにかかっていて、求心力回復の「乾坤一擲」の手も、これに対して打たれなければなりません。

 

安倍総理は、官僚機構や周りのダメ政治家に手足を縛られ、ホントに何もできないところまで追い込まれているのでしょうか?  安倍総理が何かを決断しさえすれば、できることはないのでしょうか?

 

結局、それができなければ、ウィルス終息後にやってくる、米中対立の本格化の中で、世界の勢力図を中国主導型から阻止する闘いに、日本はキープレーヤーから降りてしまうことにほかなりません。

 

ウィルス終息後にやってくる、米中対立の本格化、それは共産党一党独裁の強権国家・中国が相手ですから、激烈を極めることは火を見るより明らかです。

 

その中で、自由主義世界共通の価値観を持つ国々の結束を固め、中国より勢力の拡大を阻止するためには、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリア、インドといったリーダー国が一枚岩になることが最も重要なことも、また論を待たないところです。

 

ともすれば、中国との経済的な依存関係の中で、もっとも大切な価値観をも捨てかねない態度が、これら諸国の中にも見られ、そういう日本も、習近平国家主席の訪日予定をいまだ捨て去れないでいる有様です。

 

しかし、この中国依存のスタンスを引きずり続けているうちは、自由主義世界の中でリーダー的な立場を確保し続けることは難しいと思います。

 

おそらく、いま安倍総理に必要なことは、2018年秋と、2019年秋の二度にわたって行った、アメリカ・ペンス副大統領の「対中政策の基本方針」と同じスタイルの、特に「日本経済を対中依存からどう脱却させ、その上で、自由主義世界共通の価値観を持つ国々の結束を固めるため、日本のリーダーとしてどうふるまうか」という安倍ドクトリンの発信だろうと思います。

 

それが、ウィルス終息後の日本の道筋を示すことにもなり、特に米中対立激化の中で、日本がどういう立場に立つかを旗幟鮮明にすることになります。

 

その時に持つべき基本認識は、もはや国連を中心とした国際協調というお題目が何の意味もなさず、世界がブロック形成に向かうという現実を見据えることです。

 

折しも世界中の非難の的となっているWHO(世界保健機関)、ここを突破口に、中国に毒されたWHOを捨て去り、あらたなWHOを創設することから始める必要があるでしょう。アメリカはそのようなことを考えていると思いますし、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリア、インドといったリーダー国と提携して、そのことに踏み切るべきだと思います。そうしないと台湾の加盟が永遠に実現しないと思います。

 

次がWTOということになります。

自由主義世界共通の価値観を死守し、共産党独裁国家の浸食から多くの国々を守るのは、もはや現在の国連主義体制ではないということが明らかになったのです。

 

安倍総理、そして稲田朋美さん、どうか、揺るぎない政治信条と確固たる信念を持って、もうひと頑張りお願いします。

そうでないと、日本はこの先、また長い期間、あの不毛な政治空白の中に突き落とされ、共産党独裁国家の横暴に手をこまねいているだけの国になってしまいます。

 

世間では「もう7年以上やった安倍さんは十分だ、そろそろ次の人に」という、単なる長期政権ノーという考え方だけで、政権交代を論じる人がいます。

 

しかし、それでは、安倍さんは「ただ7年以上やっただけの人」ということで歴史的に何の評価も得られない政治家になってしまいます。それはなぜか、結局安倍さんの力不足だったためなのか、断じて違います。

 

力不足の人が総選挙にすべて勝ち続けて長期政権を保つことなどできません。安倍さんは、憲法改正にしても拉致問題にしても、拙速を避け、とにかく周辺諸国との摩擦を極力避けながら、ひたすら経済の安定を図り、自分の政治信条をぶれることなく保ちながら機が熟すのを待ってきたのです。

 

国会の勢力上は強行突破しようと思えばできた憲法改正の発議にしても、どこでどう間違って、国民投票で違う結果が出るかも知れないという状況では、無理をしない、無理をして、元も子もない状態、すなわち責任論による退陣だけは避けなければならないという考え方で、この7年間政治を行ってきました。

 

まだレガシーは何一つ残していないのですが、すべては国民の暮らし最優先で取り組んだためです。この7年間、選挙で国民から評価され続けたのは、その「暮らし最優先」の政治なのです。

 

本来であれば、その果実をベースに、憲法改正にも取り組み、拉致問題も解決を図る段階にきたところです。安倍さんがレガシーを残す仕事に取り組むのは、これからだったのですが、そこに、この国難ウィルス問題です。

 

だからと言って安倍さんを降ろして、日本がどう良くなるものではありません。これだは断言できます。ほかの誰がやっても経済の立て直しがうまくいかないばかりか、中国をはじめとした近隣のやっかいな国から、さまざまな挑発を受け、G7などの国際舞台での存在感はなくなり、まったくお先真っ暗の時代に突入です。

 

そんなことは考えたくもないし、絶対あってはならないことです。何より安倍さん自身の心が折れないことが一番大切なことです。

安倍さんのもとに、同じ政治信条と信念を抱いて集まっている仲間たち、いまこそ皆さんが、安倍さんを支え,盛り立て、ひとり一人が役割を果たし、来るべき米中対立激化の中で、日本は、自由主義世界共通の価値観をどうリードしていくのかについて、ペンス演説のようなドクトリン起草に漕ぎつけるべき時です。

 

稲田朋美さんを中心に、仲間の皆さん、どうか、お願いします。この国を守り、世界の中で誇りある立場を保ち続けてください。そうすることが国民の多くの支持を得て、再び政権を任せていただける道です。

 

この叫びが心ある政治家諸氏に届くことを切に祈ります。