稲田朋美議員が目指すべき精神的支柱とは。

昨年7月30日の書き込みで私は「稲田朋美さん、宰相を支える精神的支柱をめざせ。」と、ご自身の「宰相への挑戦の終わり」を宣しました。

あれから1年半、その後、苦戦を強いられながら総選挙を勝ち抜き、今年9月の自民党総裁選で安倍さんが3選を果たした後の党役員人事で、筆頭副幹事長兼総裁特別補佐に就きました。

先週14日、臨時国会が終了したこともあり「ともみ組」メンバーを対象とした「国勢報告会」が議員会館で開催されたことから参加しました。

今回目をひいたのは、参加者に配られた資料です。臨時国会で代表質問に立った栄誉についてではありません。並みの議員なら、それが報告会の最大の理由となるのでしょうけれど、私たちは稲田さんに、そんなことを期待しているのてはなく、国の行く末をにらんだ仕事をして欲しいのです。

その意味で、最近の日本を取り巻く情勢、なかんづく、米国と中国の対立、北朝鮮、ロシアそして韓国について、どう見ておかなければならないかを資料にまとめたのは、稲田さんならではの仕事だと感じました。

私は、この資料は、まず「現状認識」の段階のペーパーだと思います。これで「こと足れり」のはずはありません。

次に提示されるべきは「とるべき我が国の選択肢」であり、それらの選択肢の中から我が国のリーダーがどう、関係国と折り合いをつけながら日本を導いていくべきか、というところまで論じてこそ「確固たる国家観を持った政治家」と評されると思います

ぜひ、今回の報告会に提示した「現状認識」を第一回と位置づけ、次の主張に繋げて欲しいと思います

稲田さんが安倍総理の後継者として絶望的ないま、安倍総理の築いた国際的なプレゼンスを引き継いで世界に誇れる日本を維持できる可能性のある政治家が見当たらなくなりました。

2021年まで安倍総理が持ちこたえ、あるいは情勢の変化によって、さらに続投という方向が出ることさえ期待してしまいます。

そんな中、稲田さんが「宰相を支える精神的支柱」になるべき時代の要請は、強まりこそすれ、弱まることはありません。

そのためには、発信力と胆力に磨きをかけて欲しいのです。
発信力といっても、小泉若大将のように「国家観」のない発信力はいりません。やはり、今回の「現状認識」レポートから起承転結を展開した「国家観」を発信することです。

そのためには、政策ブレーンを強化して、そこで煮詰めた議論をスピーチに書き起こせる人材を得る必要があります。

安倍総理が、この3年ぐらいの中で、後世に長く評価されるであろう国際社会に向けたスピーチを次から次へと発信出来るのも、これまで長年にわたって国際社会をリードする考え方をブレーンとともに磨きあげてきた賜物であり、それを見事にスピーチにまとめあげた有能な人材を得たおかげです。

これほとのお手本が、政治的な師匠でもあるわけですから、そのレガシィをまるごと引き継いで欲しいのです。

そういう取り組みを強めていくと、不思議と「この人なら宰相として自分が支えるだけの価値がある人だ」という人に出会うものです。

稲田さんだって、安倍さんの日頃の取り組みの中で目に留まり「この人を将来の宰相候補として育てたい」と大切にされたわけですから。

先日の報告会、稲田さんは「もうすぐ60歳になります」と話しておられました。

一つ年下とはいえ、ほぼ同年代といっていい野田聖子女史は、まだまだ宰相への道を諦めていないかに見えますが、宰相になって何をしたいかが、ほとんど分からない訳ですから、宰相になること、それ自体が目的と言わざるを得ない人な訳で、今日の世界情勢の中、そういう人を宰相にしていい時代ではないのに、困ったことです。

安倍さんがお辞めになったら、日本の国際社会でのプレゼンスはズルズルと後退し、近隣のどうしようもない国々からの「やりたい放題」のことに為すすべのない状態、あるいは譲歩譲歩の連続といった状態が来るかと思うと暗澹たる気持ちになります。

稲田さんには、そのためにも、どうしても踏ん張って欲しいのです。