歴史教育を、来春から2本立てに改革すべし

先日、文藝春秋2013/10月号を読んだ。まだ全てを読み終えていないが、メイン特集「日中韓100年戦争」は読んだ。
 
実は文藝春秋を読んだのは久しぶりである。どれぐらい空白期間が空いたか・・・。
2年ぐらいか、3年ぐらいたったか、細かく調べればわかるが、まぁ、感覚的には久しぶりだ。
 
日中韓100年戦争」を読んでの率直な感想は、文藝春秋は変わったのではないか、という期待感だ。当然のことながら、私が文藝春秋を読まなくなったのは、オピニオン誌でもなんでもなく、ただの月刊誌でしかないと感じるようになってからだ。
 
私が現在、オピニオン誌として評価している月刊誌は「正論」と「WILL」だけだ。文藝春秋が復活して、それに加わるかどうか、しばらく見ていきたい。
 
さて、その文藝春秋の「日中韓100年戦争」、読後感としては「そう思っていたほうが間違いないよなぁ、さぁ、日本も歴史教育再構築だぁ」
 
なんといっても「教育が国家100年の大計」であることを、中国、韓国の反日教育が、いやというほど見せつけてくれ、これから「日中韓100年戦争に突入する」と考えれば、我が国も「100年の大計」としての歴史教育を再構築するのは自明の理だ。
 
この特集企画は7人の識者による座談会形式となっており、一人ひとりの論調も紹介したいところだが、今回の論点がボケてしまうので省略する。歴史教育を2本立てに改革すべしという主張を想起させてくれた部分が、実は、座談メンバーの一人、評論家・麗澤大学教授、松本健一氏の発言部分だ。
 
「中国では、歴史の教科書は二冊に分かれているんです。一冊は古代から、もう一冊は阿片戦争から始まっていて、両方を並行して学んでいく。」
 
これについて、座談メンバーの一人、現代史家の秦郁彦氏が「そこで反日教育を徹底するんですな」と話を継いでいる。歴史教育の重要性、改革方策について話がつながることはなく別の話題に切り替わったが、私は、ここに日本の歴史教育改革のポイントを見い出した。
 
こんなことは、政府や文部科学省歴史教育見直しの議論で、さんざん出尽くしているだろうが、なぜか実現していない。
それは「日本も歴史教育を2本立てにすべきで、一冊は古代から江戸時代まで、もう一冊は幕末から現代までを並行して学ばせるべきだ」という改革である。
 
日本の近現代史についての歴史教育が不十分だという議論は、とっくに共通認識になっているのに、それについての改革がいつまでたってもできない日本。
 
理由は一つ、「東京裁判史観」すなわち、太平洋戦争後の歴史観を自国の歴史の負の部分をことさら強調し、正の部分を過小評価し、日本を貶めている自虐史観を維持したい勢力が上回っているからだ。
 
しかし、国民全体の意識はもう、そうではないだろう。「日中韓100年戦争」という、軍事力を行使しないまでも、いわば冷戦時代と同様の関係が、相当長期間続くことを考えれば「国家100年の大計」たる歴史教育を、いまのままにしておいていいと思う国民のほうが少数派に違いない。
 
あとは政府・文部科学省が、どう具体化するかという問題だと思う。
来春から始めるべし。「日中韓100年戦争」はもう始まったのだから。