安倍内閣100日に思う

昨日、4月5日、安倍内閣が発足100日となったとメディアが伝えていた。マイクを向けられた安倍総理は、さしたる高揚感もなく「まだまだ本格的な結果を出すため、努力していかなければならない」と応じていた。
 
さもありなん。最近浸透してきた景気へのポジティブ感にも、メディアは必ず「といって、まだ何も具体策が打たれたわけでもないので、これがしぼんだら」云々と、得意のネガティブシンキングである。そんなこと、言われなくたってわかっている、というのが我々安倍内閣支持派の気持ちだ。
 
それにしても、この100日、安倍内閣は、それこそ、民主党内閣期間止まっていた、震災復興をはじめ、経済、外交、安全保障、教育、あらゆる分野の時計の針を矢継ぎ早に進めさせた。大変な仕事ぶりだ。昨夜のBSフジ「プライムニュース」に出演した甘利経済財政大臣によれば、安倍総理のリーダーシップはハンパじゃないらしい。6年前の内閣でも大臣だっただけに、そのあまりの違いに驚いているという。側近中の側近と言われるこの人にして、安倍総理のリーダーシップの強さに舌を巻いている。
 
つまり、一国のリーダーが強い意思で、閉塞状態を打破しようとさえ決意すれば、国は動くということだ。私たちは、どうやら、ずいぶん長い間、このことを実感できないでいた。総理大臣の中には「日本の制度は、各省庁が独立しているので総理大臣がやれることなど、たかが知れているんですよ」とのたまう御仁すらいた。
 
100日経過して、このような状況が見えてきたというわけだ。
 
さて、安倍総理が、マイクを向けられても、さしたる高揚感がなかったように、日本の政治・経済・社会の行く末は、まだまだ課題山積である。それこそ、危機的状況は相変わらずといっていいわけで、危機突破内閣の仕事は、まだ緒についたばかりといっていい。まずは来るべき参議院選挙での過半数が第一歩であり、そのあと、息つく間もなくTPPが来る。
 
その間、中国、北朝鮮、韓国、近隣諸国との摩擦要因が、いつ肥大化、顕在化するかわからない。自然災害などの突発要因がいつ発生するかわからない。
 
私が愛読するオピニオン誌「WILL」2013年5月号の連載、堤堯氏と久保紘之氏の蒟蒻問答では、安倍総理が日米首脳会談でのシェールガス輸出要請に関連して、かつて田中角栄アメリカの石油メジャーの反発をかったためロッキード事件という報復を受けたことを例に「安倍も気をつけないと」と話し合っていた。
 
ことほど左様に、我らがリーダーを取り巻く世界は、厳しくも困難な道だ。どうか、何事もなく3年いや5年の期間を安倍内閣に与えたまえである。まさに神に祈りながら安倍内閣の行く末を見守り応援していくしかない。
 
昨年12月末に安倍総理が就任して以来、私は毎日のように新聞の「安倍日誌」をチェックしている。なぜかというと、ある程度休みがとれているかどうか確認したいからだ。1月、2月あたりは冬の寒さのこともあり疲労がたまってダウンしないか気が揉めたものだ。なにしろ、月1回以上は必ず震災被災地を訪れている総理だ。現地では、少々の風雪でも現場にでかけている。普通の日常の人の視察とはわけが違う。朝7時台から官邸に入り夜9時台まで会合を重ねる毎日だ。そうした中で、寒さや疲労が原因で風邪気味になり、それが引き金になって病気を引き起こすことが往々にしてある。
 
月に1回か2回、土日のどちらか「公邸で過ごす」という記述があることがある。こういう日はホッとする。少しは休めているかなと。
ただ安倍総理は運動不足解消にも気をつかっているようで、時々六本木のホテル内にあるフィットネスクラブに行っているのと、ゴルフが好きなようだ。2月だったか、寒い日だというのにゴルフという日誌になっていたのには驚いた。内心、休んで欲しいよ、と思ったものだ。
 
いまはもう、仕事のリズムもつかんだだろうし、季節もいいので、急に体調を崩すことはないと思うが、次の心配は夏だ。前回の在任中も夏の過酷な暑さの中で外国訪問などの過密スケジュールでダウンしている。どうか、体調管理に万全を期するよう、総理のスケジューリングするスタッフにはよくよく注意してもらいたい。
 
私が安倍内閣100日のニュースに接して思ったのは、そんなようなことだった。