国際社会において新帝国主義の「彼の国」をどう牽制していくか

我が国が抱える領土に関する脅威は、新帝国主義の「彼の国」による南西諸島への侵犯がある。
 
その他、実効支配を許している竹島の奪還、北方領土の返還問題もあるが、喫緊の課題は「彼の国」による侵犯からの国土防衛である。
 
「彼の国」は、いまの体制が続く限り、支配するまで、ありとあらゆる手段を講じて侵犯を続ける意思が強固だ。
 
我が国も、そのつもりで絶対阻止の意思と行動を示し続けなければならない。
 
国際社会が「彼の国」を、政治体制はもとより、少数民族の抑圧など人権上の問題をはじめ、多くの面で批判的に見ていることは間違いない。
 
私も、これまでは、いざ国際社会に「彼の国」の振る舞いについて、声を大にして牽制するメッセージを発すれば、多くの共感が得られると考えていた。
 
しかし「彼の国」も狡猾だ。いくら間違った内容でも、繰り返し「あそこは我が国の領土だ」と国際社会で叫び続けると、国際社会の中にも「彼の国の言い分も一理あるのでは」という雰囲気が出てくる。
 
まして、経済大国、軍事大国として、世界各地での影響力をますます強めている流れの中では、いくら我が国が「国際法も歴史的にも我が国固有の領土です」と正論を吐いても、共感が年々薄らいでいきかねない怖さを感ずる。
 
国際法上」という錦の御旗に大きな拠り所を得るはずの我が国が、逆に国際法上の文言に手足を縛られかねない問題もあるという。
 
あるオピニオン誌に「国連憲章にいまだに明記されている敵国条項を、彼の国が悪用して、軍事行動を挑発し、我が国が防衛行動をとろうとするその瞬間に、「国連憲章敵国条項に則り軍事行動に入る」と国際社会に声明を出されると、日米安保が効力を持たず、侵略を許してしまう」という警鐘が発せられた。
 
なぜ我が国そして我が国民が、これほどの問題を軽視してきたのか。
 
それは外務官僚に巣食う体質に起因しているという。つまり「我が国は侵略戦争し国なのだから、敵国条項の非を訴えるべきではない。いまどき、あの条項を持ち出す国などない」という、卑屈で甘い見通しにたった愚かな外交観だ。それを国会で取り上げても、なかなか日本のマスコミは報じない。それで、ここまで来てしまったのだ。
 
新内閣は、まず、この問題を俎上に乗せて国民世論を喚起していく必要がある。もはや愚かな官僚に外交を任せていてはダメだ。
 
安倍総理は、いずれ行なうであろう国連演説で、必ずやこの問題を提起してもらいたい。
 
「我が国がいまだに縛られている国連憲章敵国条項。戦後70年近く国際社会で果たしてきた我が国の貢献は、敵国条項を撤廃するに十分にふさわしいものだと思う。にもかかわらず、我が国はいま、逆にこの敵国条項を悪用しようとする国の挑発的軍事行動があった場合、明らかな防衛活動とることが侵略行動だとして、そのあとの軍事進攻を受けかねない脅威にさらされている。」と。
 
おそらく、安倍総理がそのように演説しようと準備すれば、外務官僚からの猛烈な反対に遭うに違いない。それを受けてマスコミも大反対のキャンペーンをはるに違いない。
 
しかし、もう売国的官僚や国辱的マスコミに屈している場合ではない。国内世論に勝る国論はないのだ。愚かな外務官僚とマスコミの立場を、国民の前に明らかにした上で、なんとしても国際社会で彼の国を牽制する提起を行なう必要がある。
 
ここしばらく、この重要な外交課題について、注意ぶかく推移をみながら発言を継続していきたい。志を同じくする皆さんにも、この輪を広げていただきたい。